三菱商事の平均年収は、2026年3月期の有価証券報告書で2,112万5,472円です。賞与と超過勤務手当を含む三菱商事本体の平均で、平均年齢は42.3歳。一方、新卒募集要項の初任給は、2026年度実績で総合職の学士卒が月35万円、修士卒が月38万5,000円、バックオフィス職が月26万円と掲載されています。
入社時の月給から、その後の給与はどのように変わるのでしょうか。三菱商事は、段階的な育成を重視する資格制度と、担当する仕事に応じる職務給制度を組み合わせています。会社業績と個人の成果を反映する賞与、対象従業員への株式交付もあり、給与の仕組みは月例給だけでは捉えきれません。5年間の実績と公表制度を基に、就職・転職時の待遇を考えます。情報の確認日は2026年10月3日です。
平均年収2,112万円の対象
最新有報の対象は2025年度、期間でいえば2025年4月1日から2026年3月31日までです。「2026年3月期の給与実績」と「2026年度の初任給」は別の期間を示します。有報では、一般に平均年収と呼ばれる数字を「平均年間給与」として掲載しています。
| 項目 | 2026年3月期の開示値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 2,112万5,472円 |
| 平均年齢 | 42.3歳 |
| 平均勤続年数 | 17年7か月 |
| 提出会社の従業員数 | 5,328人 |
| 提出会社の就業人員数 | 4,456人 |
| 連結従業員数 | 6万3,037人 |
賞与を含む本体従業員の平均
2,112万5,472円は、毎月の給与に超過勤務手当と賞与を含めた年間の数字です。年額を12で割ると約176万円になりますが、これは平均月給ではありません。月例給与と、年にまとまって支給される賞与の合計として読みます。
平均年齢42.3歳、平均勤続17年7か月は、この給与水準と一緒に見る人員構成の情報です。42歳の社員だけの年収や、入社18年目の到達年収を示すものではありません。確認した有報には年齢別・役職別の給与表がないため、年齢から個人年収を推定せず、全体の処遇水準と入社後の制度を分けて扱います。
5,328人と4,456人の違い
給与と同じ表に載る従業員数は5,328人です。これに顧問・嘱託103人、他社からの出向者128人、海外店現地社員541人を加え、他社への出向者1,644人を除いた人数が、別掲の就業人員4,456人です。
元表の説明を式にすると、5,328+103+128+541-1,644=4,456人となります。在籍する従業員の人数と、出向などを調整した就業人員の人数を区別することで、同じ会社に二つの人数が出てくる理由が分かります。
連結6万3,037人は、国内外の連結子会社を含む就業人員の集計です。2,112万円はこのグループ全体の平均ではなく、提出会社である三菱商事本体の開示値です。求人を比較するときも、募集者が三菱商事本体なのかグループ会社なのかを最初に区別します。
給与は年度実績、人員・年齢・勤続は年度末の開示。
5年間の給与推移
平均年間給与は、2022年3月期の約1,559万円から2026年3月期の約2,113万円へ増えています。直近3期は2,000万円台ですが、途中には減少した年度もあります。各年の有報に記載された金額と人員構成を並べると、上昇の大きかった時期と最近の動きが分かれます。
| 決算期 | 平均年間給与 | 前年比 | 平均年齢/勤続 |
|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 1,558万8,893円 | 比較起点 | 42.8歳/18年6か月 |
| 2023年3月期 | 1,939万3,985円 | +24.4% | 42.9歳/18年6か月 |
| 2024年3月期 | 2,090万9,825円 | +7.8% | 42.7歳/18年3か月 |
| 2025年3月期 | 2,033万3,662円 | -2.8% | 42.4歳/17年10か月 |
| 2026年3月期 | 2,112万5,472円 | +3.9% | 42.3歳/17年7か月 |
前年比=(当期給与÷前期給与-1)×100、小数第1位に四捨五入。
大きく上昇した2023・2024年3月期
最も増加幅が大きいのは2023年3月期で、前期から380万5,092円増えました。翌2024年3月期も151万5,840円増え、2,000万円台に入っています。二つの年度の増加額は合計532万932円で、比較起点から直近までの増加額553万6,579円の大部分が、この時期に生じています。
5年間の両端を比べると、増加率は(21,125,472÷15,588,893-1)×100=約35.5%です。同じ期間に平均年齢は42.8歳から42.3歳へ下がり、平均勤続年数も11か月短くなりました。集団の年齢や勤続年数が上がったから給与平均も上がった、という説明だけでは合いません。
これは各年度の従業員集団の比較で、同じ社員を追いかけた昇給率ではありません。給与実績の推移として確認し、その変化を生む制度は後述の月例給・賞与・評価の構成から読むのが適切です。
直近は減少後に5年間の最高額へ
2025年3月期には57万6,163円減少し、翌2026年3月期には79万1,810円増加しました。掲載した5年間では直近が最高額です。ただし、2024年3月期との差は21万5,647円で、最近の2年間は大幅上昇というより、2,000万円台を維持しながら上下した形です。
2024年3月期からの伸び率は、(21,125,472÷20,909,825-1)×100=約1.0%です。5年全体の35.5%増と、最近2年の1.0%増では印象が変わります。給与水準の継続性を考えるなら、最高額だけでなく、どの期間にどれだけ増えたかまで見る必要があります。
有報は年次の増減を基本給、賞与、人員構成別の寄与額には分解していません。特定の資源価格や資産売却益を給与増加の原因と決めず、公表された給与実績と報酬方針をそれぞれ確認します。三菱商事では会社業績に応じて報酬原資が変動する仕組みを明示しており、その具体的な設計が給与の持続性を考える材料になります。
新卒の初任給と採用区分
新卒募集要項の給与欄は、総合職とバックオフィス職を分け、いずれも「2026年度実績」と表示しています。学士卒・修士卒の差があるのは総合職で、バックオフィス職は同額です。入社時の毎月の収入を比較する出発点は、この職種別の金額になります。
| 新卒募集要項の区分 | 月額初任給 | 月額×12の単純計算 |
|---|---|---|
| 総合職・学士卒 | 35万円 | 420万円 |
| 総合職・修士卒 | 38万5,000円 | 462万円 |
| バックオフィス職・学士卒/修士卒 | 26万円 | 312万円 |
右列は賞与・手当を含めない年換算で、初年度年収の予測ではありません。総合職の学士卒と修士卒の月額差は3万5,000円、12か月分で42万円です。学士卒総合職とバックオフィス職では月9万円、同じ計算で108万円の差になります。
入社年度と給与の実績年度
2026年10月3日時点の募集要項の冒頭は、2028年度入社の海外大学正規留学生向け総合職選考を案内しています。この選考ではバックオフィス職は対象外で、国内採用選考は実施概要が決まり次第案内するとしています。その下の給与欄には、両職種の2026年度実績が掲載されています。
従って、現在の選考対象、将来の入社年度、給与の実績年度は分けて読みます。表は2028年度の全職種の募集や入社時給与の確約を示すものではなく、現時点で公表されている職種別の給与水準を比べる資料です。新卒募集要項は契約期間を定めなし、入社後6か月を試用期間としています。
キャリア採用の募集要項では、総合職の月給を35万円以上とし、経験・スキルを考慮して規定により決めるとしています。新卒学士の初任給35万円と数字は重なりますが、転職者への一律の提示月額という意味ではありません。経験者は、応募する職務に対してどの経験が評価され、月例給と賞与がどう提示されるかを確認することになります。
月額差と一緒に見る勤務地と賞与
総合職の勤務地は本店に加え、国内外の拠点・事業会社などです。入社時は原則として本店など首都圏の勤務としています。バックオフィス職は、本店など首都圏の事業会社等が勤務地です。初任給の違いだけでなく、その後どこで働くことを想定した職種かにも差があります。
賞与は年2回、6月と12月です。月例給与と賞与の支給時期が分かれているため、毎月の住居費などと、年単位の貯蓄や大きな支出を考える際にも区分して扱えます。募集要項には新入社員の初回賞与額や支給月数は示されていないため、確認したいのは月額に加え、賞与の対象期間と初回の取り扱いです。
2026年10月3日確認。新卒の給与欄は2026年度実績。
職務と成果で変わる給与
最新有報は、従業員の給与・報酬を決める方針を独立した項目で説明しています。能力、職務、成果、業績に応じて報い、キャリアステージが上がるほど職務と成果へ重点を移すという設計です。平均額の高さだけでは見えない、入社後の給与を考える中心部分です。
資格制度と職務給制度
三菱商事の総合職の育成は、「現場のプロ育成」「経営実践」「経営人材活用」の三つのステージで整理されています。資格制度は段階的な人材育成を土台とし、職務給制度は担う仕事に応じて報いる仕組みです。両者を組み合わせた制度を、会社はハイブリッド型と呼んでいます。
ここでいう資格は語学試験などの社外資格ではなく、社内の区分です。社員がどの段階にあるかを示す資格と、仕事の大きさを示す経営職務グレードは別の軸になっています。グレードは事業規模、機能、役割などで判定され、異動や担当職務の変更時に見直されます。
2026年3月発行の人的資本レポートは、2019年の制度改革として、G3以上の重要職務の就任者を「MX」と呼び、資格から切り離した職務給制度を適用すると説明しています。その職務を離れれば資格制度を再適用する流れも図示されています。担当する仕事のグレード変更と、社内資格の昇格・降格は区別されます。
給与の伸びを考える際、若手ではどの経験を積み、次のステージへ進むかが論点になります。経営を担う段階では、就任する職務の規模や難易度、そこで出す成果の比重が高まります。同じ社内のキャリアでも、全期間を一つの年功的な給与表で説明するより、この移り変わりを見る方が制度に沿っています。
会社業績と個人成績を分けた賞与
キャリアステージ別の報酬図には、基本給、職務給、個人成績賞与、業績連動賞与、株式報酬が示されています。適用される構成はステージに応じて変わります。毎月の給与を支える部分、個人の成果を反映する部分、会社業績に連動する部分が、別々に設けられています。
2025年度有報は、経営戦略2027で設定した定量目標と業績連動賞与を連動させていると説明しています。同時に、社員の成果・貢献に応じて評価を行い、その評価を個人の報酬へ反映する方針も明記しています。業績によって変わる全体の報酬原資と、それを個人の職務・成果に応じて処遇する仕組みを分けて理解できます。
この違いは、会社の決算と自分の給与の関係を考える際に役立ちます。会社全体の好業績は報酬原資に関わりますが、個人が担当した仕事の成果は別の評価対象です。会社の利益の増減率を、そのまま自分の賞与の増減率へ置き換える構造ではありません。
有報の基本方針は、人件費の弾力性を維持し、業績に応じて支給原資が変動する仕組みとすることです。平均給与が毎年必ず上がる設計ではなく、業績と成果を報酬へ反映させる設計として理解できます。参照した有報・募集要項には個人別の係数や賞与月数は示されていません。役員向けの賞与算式も、従業員とは別制度です。
退職時に交付される従業員株式
三菱商事は2019年5月9日の取締役会で、経営人材株式交付制度の導入を決めました。従業員向けの株式付与ESOP信託を使う制度で、2025年4月には継続を決定しています。最新有報の報酬方針でも、一定資格以上の社員に株式交付制度を設けていると説明しています。
仕組みは、会社が金銭を信託し、その資金で信託が市場から三菱商事株式を取得するというものです。信託期間中、資格・グレード、目標達成度などに応じて従業員へポイントを付与し、受益者要件を満たす社員に、退職時にポイントに応じた株数を交付します。
毎月の給与や年2回の賞与と違い、ポイント付与と株式を受け取る時期が分かれています。入社後の処遇を長期で見るときには、この受取時期まで確認しておく意味があります。新卒全員に毎年同額の株式が現金代わりに支払われる制度ではなく、資格と達成度、受益者要件に基づく仕組みです。
会社が示す目的は、中長期の企業価値向上と従業員個人の成長を結び付けることです。
評価とキャリアの広がり
給与に職務と成果が反映されるなら、どの経験を経て次の仕事を担うのかも待遇を考える材料になります。三菱商事は、目先の成果に対する評価とは別に、能力開発や配置を検討する仕組みを設けています。バックオフィス職にも、総合職とは異なる役割に沿った資格とキャリアの道があります。
成果評価と育成の対話
2019年の制度改革では、従来の貢献度評価とは別に「成長対話」と「タレントレビュー」を導入しました。成長対話は、本人のキャリアの方向や強み・弱みを振り返り、能力開発やキャリア開発について上司と話す機会です。管理職以上は360度サーベイ、非管理職は周囲からのフィードバックを材料とします。
タレントレビューでは、その対話結果も踏まえ、能力を伸ばす機会や異動希望を組織横断で検討します。「今年の貢献をどう評価するか」と「次にどの経験を積むか」を分ける仕組みです。現在の成果だけでなく、今後担いたい仕事を対話の対象にできる点が、職務を通じた成長を考える材料になります。
人材方針MC HR Vision「DEAR」は、Diversity、Energize、Accelerate、Rewardの四つの要素で構成されています。多様な人材、力を発揮する環境、経験を通じた育成、成果への報いを一体で扱う方針です。Rewardには、市場競争力の高い報酬水準と柔軟な体系、適材適所、成果主義が掲げられています。給与を人材獲得と成長に結び付ける会社の考え方として読めます。
自ら応募する異動と海外経験
社員自身が希望する組織へ応募する「Career Choice」と、社内の別業務を経験する「Dual Career」があります。前者は公募型の異動、後者は社内複業の制度です。新しい分野に本格的に移る機会と、現在の仕事を続けながら経験を広げる機会を使い分ける仕組みになっています。
人的資本レポートには、2024年度にシアトルとトロントの全社拠点長ポストをCareer Choiceで公募した事例があります。給与表では見えない、どのような職務に手を挙げる余地があるのかを示す事例です。職務給制度を読む際にも、仕事への配置と報酬の仕組みを関連付けて理解できます。
新卒採用サイトは、原則として入社8年目までに全総合職が海外経験を積むことを掲げています。海外拠点や海外事業投資先で実務を学ぶグローバル研修生制度、欧米やアジアのビジネススクールへの派遣などが紹介されています。若手の実務研修と、その後に経営職務を担う配置では、身に付ける経験や責任が異なります。
研修は財務会計、M&A、語学、グローバルリーダーシップ、AIなどにも及びます。三菱商事の仕事と報酬を考える際には、入社時の能力だけでなく、こうした経験を積んだ後にどの役割を目指すかまで見ると、初任給と長期のキャリアをつなげて考えられます。
バックオフィス職の上位資格
バックオフィス職は、取引実務とその統括、投資に関する計数管理・分析、コーポレート制度の運用などを担います。人的資本レポートは、業務プロセスの更新やAI技術への対応も役割として挙げています。初任給の金額差だけでは見えない、業務を運用・改善する専門性が求められる職種です。
2021年には職掌を再分割し、従来からの総合職への職掌転換制度に加え、バックオフィス職の中に上位資格を設けたと説明しています。総合職へ移る道と、バックオフィス職として高度な業務を担う道を分けています。職種内で経験と専門性を深めることも、キャリアの選択肢に含まれます。
同レポートは、バックオフィス職のキャリア採用を2023年度入社から実施し、新卒採用は2027年度入社から8年ぶりに再開すると説明しています。以前からある職種の採用経路を広げる動きであり、2027年度に職種そのものを新設するわけではありません。新卒給与欄の実績年度と採用再開年度も、別の情報として確認します。
どのような事業や経営職務があるのかを具体的に知るには、給与制度と分けて事業構成も確認すると理解が進みます。三菱商事の強みを扱う記事では、LNGなどの事業とポートフォリオを整理しています。
勤務時間と休暇の公表情報
三菱商事の新卒募集要項は、勤務時間を9時15分から17時30分、休憩1時間、標準勤務時間を7時間15分としています。給与に超過勤務手当が含まれるため、労働時間も待遇を比較する要素です。時刻だけでなく、残業の集計基準や、時間・場所を調整する制度まで確認できます。
法定時間外は月平均11.4時間
募集要項に掲載される月間平均残業時間は、2025年度実績で11.4時間です。対象は本社・国内支社勤務の従業員のうち、管理職と顧問・嘱託社員を除く人員。注記では、法定労働時間の8時間を超える時間外を集計すると明示されています。
標準勤務の7時間15分と集計基準の8時間の間には、45分あります。このため11.4時間は、標準終業時刻を過ぎて働いたすべての時間とは一致しません。他社の残業実績と比較する際は、所定時間外か法定時間外かを揃える必要があります。年度や対象の違う残業数字を結んで、大幅な削減率を計算することも避けます。
フレックスと休暇取得の実績
募集要項はフレックスタイム制度を導入する部署が多数あると案内しています。サステナビリティの公式ページでは、在宅勤務や外出先のサテライトオフィスの活用も紹介しています。勤務の開始・終了を調整する制度と、働く場所を調整する制度がそれぞれ用意されています。
有給休暇取得率は70%以上を共通目標とし、同ページに掲載される2024年度の単体実績は68.4%です。目標と実績の差は1.6ポイントで、休暇制度の存在だけでなく、取得状況も公表しています。年収の高さと休暇の利用状況は別の評価軸であり、こうした実績を併せて見ると働き方の比較に使えます。
休日は完全週休2日制の土日、祝祭日、年末年始。年次有給休暇のほか、結婚、妊娠、配偶者出産、子の看護等、介護、リフレッシュなどの休暇を掲げています。傷病・健康・妊娠・介護や子の看護を事由とするライフサポート積立休暇も、募集要項の休暇一覧に含まれます。
有休は2024年度実績。
住居・育児・介護の支援
生活費や働き続ける条件を考えると、給与以外の制度にも違いがあります。募集要項には独身寮・社宅、診療所、退職金・年金、育児・介護休職などが掲載されています。一律の金額を年収へ上乗せするのではなく、住居費や家族の事情に応じて利用する待遇として整理します。
独身寮の対象と退職金・年金
独身寮は総合職のみが入寮対象と明記されています。都内に4棟あり、いずれも通勤時間40分以内と案内されています。同じ会社の採用でも、初任給以外の適用条件に差がある具体例です。月額を比べる際には、応募職種で利用できる住居制度も一緒に見ておくと、住まい選びにつながります。
総合職で寮を利用する場合は、入寮可否、本人負担、入居期間が生活設計に関わります。募集要項では寮費の金額までは掲載されていないため、家賃補助の相場を仮定して「実質年収」を算出せず、適用条件を確認して住居費を見積もります。バックオフィス職には、総合職向けの入寮条件を当てはめません。
退職金・年金制度と診療所も公表されています。従業員株式交付と併せ、在職中に受け取る給与と、退職時やその後の給付に関わる制度を区別しておくと、報酬全体の構成が見えます。転職時に提示される年収を比較する際も、現金給与、住居、退職後の給付を別項目にすると条件差を把握しやすくなります。
育児の預け先と復職の支援
育児支援は休職制度だけではありません。人事部内の「MC育児コンシェルジュ」が保育施設やベビーシッターの案内、育児に関する相談を受け付けています。復職に向けて、オフィス近隣の託児所に常時保育枠を確保し、病児保育シッターの利用枠も用意すると公表しています。
小学生の子どもを持つ社員には、学校の長期休暇に合わせた「MC学童」があります。保育園への入園時期だけでなく、就学後の夏休みなどにも預け先の問題が生じます。制度を利用できるかは、復職時期や働ける時間を考えるうえで、給与額とは異なる判断材料になります。
子の看護等休暇は、子どもの病気やけが、健康診断や予防接種に加え、入学・卒業等の公式行事にも対応すると案内されています。時差勤務、フレックス、在宅勤務も育児と仕事を両立する制度として紹介されています。日々の送迎と、突発的な病気や行事への対応を分けて支える内容です。
配偶者を伴わず中学生以下の子どものみを連れて海外赴任する場合には、赴任前出張や住宅設営、託児費補償などの支援もあります。総合職の海外勤務を検討する人にとっては、赴任機会の有無だけでなく、子どもと生活する条件まで確認できる公表情報です。
介護休暇と再雇用の選択肢
介護支援では、年度内10日の有給の介護休暇と、対象家族1人につき通算1年、非営業日を含む365日の介護休職を掲げています。有給と明記されているのは介護休暇で、365日の休職全体を有給とする説明ではありません。短い休暇と長期の休職を区別して利用条件を確認できます。
対象家族には配偶者、子、父母、配偶者の父母、祖父母、孫、兄弟姉妹が含まれます。勤務時間の調整、深夜勤務や時間外・休日勤務の免除・制限、社外専門家と人事部への相談も支援策です。介護に直面した際に、休職だけでなく働き方を調整する方法を相談できる体制が公表されています。
配偶者の国内外転勤に同行するため退職する社員については、一定条件の下で再雇用する制度もあります。一度離職した後の復帰の選択肢を設ける制度です。長く働いた場合の給与を考えるときには、年ごとの報酬だけでなく、こうしたライフイベントを挟んでキャリアを継続する条件も比較対象になります。
2026年10月3日確認。
他の総合商社と比べる場合は、共通の平均年収・初任給と、各社固有の制度を分けると判断しやすくなります。7大商社の数値比較は、対象年度と採用区分を揃えた比較記事にまとめています。

