すてきナイスグループとは
すてきナイスグループは、現在のナイス株式会社を指して使われることが多い旧社名です。ナイスは、木材・建築資材・住宅設備機器の流通を中核に、住宅事業、木造建設事業、研究開発、マンション管理、CATV、IT関連なども展開する住宅・建材関連グループです。
公式の沿革によると、同社は1950年に市売木材株式会社として設立され、木材市場の運営を開始しました。その後、建築資材全般の取り扱い、輸入材、マンション分譲、一戸建住宅分譲、木材・建材業界向けソフト、プレカット、インターネット受発注システムなどへ事業を広げています。2007年に持株会社体制へ移行して「すてきナイスグループ株式会社」へ社名変更し、2020年には中核事業会社のナイス株式会社を吸収合併して、現在のナイス株式会社へ社名変更しています。
つまり、現在の企業分析では「すてきナイスグループ」という旧社名で調べるだけでは足りません。上場会社としての正式な確認先は、現在のナイス株式会社です。証券コードは8089で、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。
ナイスを専門商社として見るときのポイントは、木材と建築資材の流通にあります。単なる建材卸ではなく、森林、原木、製材、木材流通、プレカット加工、建材・住宅設備機器、物流、木造建設、住宅販売までをつなぐ会社です。住宅や不動産のイメージも強い企業ですが、商社PJの視点では、建築資材事業のサプライチェーン機能、在庫・物流、木材調達、プレカット、工務店・ビルダー支援を中心に見ると理解しやすくなります。
建材商社全体の位置づけを先に押さえたい場合は、業界分類の記事も参考になります。
基本情報
公式の会社概要によると、ナイス株式会社の本社は神奈川県横浜市鶴見区、設立は1950年6月23日です。資本金は244億89百万円、決算期は3月31日、連結従業員数は2,816名(2025年3月31日現在)です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現社名 | ナイス株式会社 |
| 旧社名 | すてきナイスグループ株式会社 |
| 証券コード | 8089 |
| 上場市場 | 東京証券取引所スタンダード市場 |
| 本社 | 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央4-33-1 |
| 設立 | 1950年6月23日 |
| 資本金 | 244億89百万円 |
| 連結従業員数 | 2,816名(2025年3月31日現在) |
| 主な事業 | 建築資材、住宅、木造建設、その他 |
2026年3月期の業績については、公式の2026年3月期 決算短信で、売上高2,591億54百万円、営業利益53億22百万円、経常利益51億62百万円、親会社株主に帰属する当期純利益25億86百万円が公表されています。セグメント別では、建築資材事業の売上高が1,935億32百万円と最も大きく、住宅事業は549億31百万円、その他の事業は106億90百万円です。
財務指標の一覧は公式の財務ハイライトにも掲載されており、2026年3月期の営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、ROE、ROA、EBITDA、一株当たり配当金などを確認できます。建材商社としてナイスを見る場合、売上高の大きさだけでなく、建築資材事業の利益率、住宅事業の利益貢献、棚卸資産、物流費、営業キャッシュフローを合わせて見ることが重要です。
専門商社としての位置づけ
ナイスは住宅・不動産会社として語られることもありますが、専門商社の視点では、木材・建築資材流通の大手として位置づけられます。建築資材事業は、森林から原木、製材、木材流通、プレカット、建材・住宅設備機器、物流、建築現場までをつなぐ事業です。
公式の建築資材事業では、森林から原木生産・流通、製材流通、プレカット加工、建材・住宅設備機器の流通、建築現場への物流までを網羅した木造住宅・建築物のサプライチェーンを構築していると説明されています。これは、建材商社の中でも木材に深く入り込んだ事業構造です。
一般的な建材商社は、メーカーから商品を仕入れ、販売店や工務店へ供給する流通機能を持ちます。ナイスの場合は、それに加えて原木・製材、木材ストックヤード、プレカット工場、木造建設支援まで持つ点が特徴です。木材を単に販売するのではなく、住宅や非住宅建築で使いやすい形に加工し、工程に合わせて届ける機能を持っています。
一方で、ナイスは純粋な建材商社だけではありません。住宅事業としてマンション、一戸建住宅、不動産流通、マンション管理を持ち、木造建設事業として非住宅の木造化・木質化支援も行っています。したがって、同社を分析する際は、建築資材事業を専門商社機能、住宅事業を不動産・住宅機能、木造建設事業を木材活用ソリューション機能として分けて見る必要があります。
建材商社の比較では、JKホールディングスやジオリーブグループが住宅資材流通の色彩を持つ一方、ナイスは木材・木造建築・住宅事業まで含めた複合型です。主要な建材商社の比較は、こちらの記事でも整理しています。
建築資材事業の全体像
ナイスの建築資材事業は、同社の売上の中心です。2026年3月期決算短信では、建築資材事業の売上高は1,935億32百万円で、連結売上高の大半を占めています。商品別では、木材、建材・住宅設備機器、木材市場が示されており、特に建材・住宅設備機器の売上が大きい構成です。
同事業の特徴は、サプライチェーンが川上から川下まで広いことです。まず、原木生産・流通では、全国8カ所の社有林「ナイスの森」を保全・育成し、製材品の材料となる原木の出材や流通を行っています。次に、製材では、スギやヒノキなどの住宅用部材を生産しています。さらに、約600社に及ぶ製材品仕入先とのネットワークを使い、国内外から木材製品を調達しています。
木材流通では、合法木材や森林認証材の流通にも取り組んでいます。環境配慮や脱炭素が重視される中で、木材の出どころや認証は、建材商社にとって重要な差別化要素になります。単に安い木材を集めるのではなく、責任ある森林管理や合法性を確認したうえで流通させることが求められています。
プレカット加工も重要です。ナイスは全国7カ所のプレカット工場で木材を機械加工し、邸別にパッキングしたうえで、販売店を通じて工務店へ提供しています。プレカットは、現場で大工が手刻みする工程を工場で加工する仕組みで、施工効率、品質安定、工期短縮に直結します。建材商社にとって、プレカット機能は単なる加工ではなく、工務店の生産性を支える機能です。
建材・住宅設備機器の流通では、キッチン、浴室、洗面、トイレ、窓、床材、ドアなど、住宅に関わる多様な資材を扱っています。住宅建築では、木材だけで家は完成しません。構造材、内装材、建具、住設機器、外装材、エクステリアまで、多くの商材をまとめる必要があります。ナイスは木材に強いだけでなく、住宅設備や建材も扱うことで、販売店や工務店の調達を支えています。
在庫・物流・オンライン発注
建材商社の価値は、商品を仕入れることだけではありません。必要な商品を必要なタイミングで現場へ届けること、そして販売店や工務店の業務を効率化することが重要です。ナイスの建築資材事業では、在庫・物流・オンライン発注が大きな役割を持っています。
公式の建築資材事業では、全国に木材ストックヤードを持ち、国産材や輸入材について多種多様な木材をストックしていると説明されています。また、一部拠点では工務店やビルダーの仕様に合わせて、1棟分の木材をアッセンブルして配送しています。これは、商社が在庫を持つことで、工務店が現場ごとに細かく調達する負担を減らしているということです。
在庫は強みである一方、リスクでもあります。木材や建材は市況変動があり、価格が下落すると在庫評価や粗利率に影響します。品番変更や仕様変更も多く、滞留在庫が発生しやすい商材もあります。ナイスのように木材ストックや住宅資材を扱う会社では、在庫回転と市況判断が収益性を左右します。
物流については、ナイス独自の物流システムにより、建築資材を工程に合わせて全国の建築現場へジャスト・イン・タイムで納材すると説明されています。公式ページでは、物流拠点29カ所、木材市場13カ所、製造拠点12カ所が示されています。建材は重く、長く、かさばる商品が多いため、物流網そのものが競争力になります。
オンライン発注も見逃せません。販売店向けオンライン発注システム「NICE ADDVAN」は、ナイス、販売店、メーカーをつなぐ建材・住宅設備機器のオンライン発注システムです。2008年から木材商品のオンライン発注にも対応し、発注、在庫照会、納期確認を支援しています。建材流通は電話・FAX・紙が残りやすい業界ですが、受発注をデジタル化できる会社は、販売店の業務効率化に深く関われます。
木材流通と国産材活用
ナイスの専門商社としての個性は、木材流通にあります。沿革を見ると、1950年に木材市場の運営を開始し、木材の受託販売、輸入材、ハウスメーカー向け住宅資材の総合物流販売、プレカット、原木流通、国産材製材、木造建築支援へと展開してきました。木材が同社のルーツであり、現在の戦略にもつながっています。
木材流通では、調達先の分散が重要です。ナイスは約600社に及ぶ製材品仕入先ネットワークを活用し、特定の産地に依存せず、国内外から品質の良い木材製品を調達すると説明しています。これは、市況変動、災害、輸入環境、為替、地域材需要に対応するうえで重要です。
国産材活用も重要なテーマです。日本では森林資源が成熟する一方で、伐採、再造林、流通、製材、建築利用の循環が課題になっています。木材を使うことは、単に自然素材を使うという話ではなく、森林の循環利用、地域経済、脱炭素、建築物の木質化に関わります。
ナイスは、木質化に向けた製品開発やオリジナル商品も展開しています。公式ページでは、プライベートブランド「ZENIYA」、表層圧密テクノロジー「Gywood」、大径木高耐久赤身材「ObiRED」などが紹介されています。これらは、商社が単にメーカー品を流通させるだけでなく、木材の用途開発や付加価値化にも関わっていることを示しています。
また、公式の会社概要では、ナイスグループがウッドデザイン賞を累計45点受賞していることも紹介されています。これは、木材の流通だけでなく、木の価値を建築・空間・製品としてどう社会に広げるかに取り組んできた会社であることを示す材料です。
住宅事業との関係
ナイスを理解するうえでは、建築資材事業と住宅事業の関係も重要です。公式の住宅事業では、首都圏・地方主要都市で、マンション、不動産流通、一戸建住宅などを通じて顧客の暮らしをサポートすると説明されています。
住宅事業では、分譲マンション、一戸建住宅、不動産仲介、リフォーム、マンション管理などを展開しています。公式ページでは、免震マンションの供給実績、マンション共用部の内装木質化、品質管理システム、マンション管理、不動産流通などが紹介されています。
建材商社として見ると、住宅事業は単なる別事業ではありません。自社で住宅を供給することで、木材・建材・住設機器の使われ方、施工現場の課題、顧客ニーズ、品質管理を直接理解できます。建材流通だけを行う会社よりも、最終製品としての住まいに近いところでノウハウを蓄積できる点が特徴です。
一方で、住宅事業は市況リスクも大きい領域です。マンションや一戸建住宅は、土地取得、建設費、販売価格、金利、消費者需要に左右されます。建材流通よりも案件ごとの資金負担が大きく、在庫リスクもあります。ナイスを投資対象として見る場合、住宅事業が利益を押し上げる局面と、在庫・販売環境が負担になる局面の両方を考える必要があります。
2026年3月期決算短信では、住宅事業の売上高は549億31百万円、営業利益は38億92百万円です。建築資材事業の売上規模に比べると小さいものの、営業利益の面では大きな貢献をしています。これは、ナイスが「建材商社でありながら住宅事業も収益柱に持つ会社」であることを示しています。
木造建設事業の成長性
ナイスの今後を考えるうえで、木造建設事業は重要です。公式の木造建設事業では、木造建築の企画、設計、積算、資材調達、木材加工、施工までワンストップで対応すると説明されています。特に、非住宅分野の木造化・木質化を促進する取り組みが強調されています。
非住宅木造とは、住宅以外の建物、たとえば教育施設、商業施設、高齢者施設、オフィス、公共施設などを木造・木質化する領域です。これまで木造住宅で使われてきた木材・プレカット・構造設計の技術を、より大きな建物や特殊な用途へ広げる取り組みです。
ナイスは、非住宅分野において、情報、構造設計、木材調達、生産加工、施工の各段階でソリューションを提案すると説明しています。木造建築物の初期相談を受ける「木造テクニカルセンター」では、図面を基に木造化の可否や躯体の概算費用を回答するサービスを行い、累計約1,200件の相談が寄せられているとされています。
同社は、木造軸組工法、パワービルド工法、テクノストラクチャー工法、トラス工法、ツーバイフォー工法、CLT工法、非住宅用ハイブリッド梁「S WOOD BEAM MORE」など、複数の工法を提案できる体制を持っています。これは、単一の工法や商品だけでなく、案件に応じて構造・調達・加工・施工を組み合わせる技術提案力を意味します。
建材商社としては、非住宅木造は単価と付加価値を高めやすい領域です。ただし、難易度も高く、構造設計、防火・耐火、法規制、施工体制、コスト管理が複雑になります。ナイスの強みは、木材流通、プレカット、構造提案、施工ネットワークをグループで持つことにあります。
収益構造
ナイスの収益構造は、建築資材事業、住宅事業、その他の事業で構成されます。2026年3月期の決算短信では、連結売上高2,591億54百万円、営業利益53億22百万円です。建築資材事業は売上高1,935億32百万円、営業利益17億47百万円、住宅事業は売上高549億31百万円、営業利益38億92百万円、その他の事業は売上高106億90百万円、営業利益13億52百万円です。
建築資材事業は、売上規模が大きい一方で、営業利益率は高くありません。木材、建材、住宅設備機器は取扱高が大きくなりやすい商材ですが、価格競争、物流費、在庫、市況変動の影響を受けます。決算短信では、2026年3月期の建築資材事業は増収ながら営業減益となっています。建材・住宅設備機器の売上は伸びた一方で、木材売上は減少しており、利益率には注意が必要です。
住宅事業は、売上規模では建築資材事業より小さいものの、営業利益の貢献が大きいセグメントです。マンション、一戸建住宅、管理その他が含まれ、2026年3月期は増収増益となっています。不動産・住宅事業は、案件ごとの採算や在庫リスクがある一方、うまく販売できれば利益貢献が大きい領域です。
その他の事業には、木造建設、IT、CATV、マンション管理関連などが含まれます。2026年3月期は売上高106億90百万円、営業利益13億52百万円と大きく伸びています。事業構成の詳細を確認するには決算補足説明資料や有価証券報告書を見る必要がありますが、木造建設、情報・生活関連、管理サービスなどが収益の厚みを作る可能性があります。
投資家は、連結売上高だけでなく、建築資材事業の利益率、住宅事業の案件採算、その他事業の持続性を分けて見る必要があります。特に、建築資材事業はナイスの専門商社機能そのものですが、利益率は物流費や市況に左右されやすいため、粗利率と販管費の動きが重要です。
強み
ナイスの強みは、第一に木材流通の歴史とネットワークです。木材市場から始まった会社であり、国内外の木材調達、原木、製材、木材ストック、プレカット、合法木材・森林認証材の流通まで幅広く関わっています。木材を扱う建材商社として、川上に近い機能を持つことは大きな特徴です。
第二に、川上から川下までのサプライチェーンです。森林、原木、製材、木材流通、プレカット、建材・住設流通、物流、木造建設、住宅販売までつながっているため、単なる卸売よりも広い提案ができます。木材を売るだけでなく、加工し、現場に合わせ、建物として使うところまで関与できる点が強みです。
第三に、物流と在庫機能です。木材ストックヤード、物流拠点、木材市場、製造拠点を持ち、工程に合わせた納材を行う体制があります。建材商社において、在庫と配送は営業力と同じくらい重要です。
第四に、工務店・ビルダー支援です。ナイスは、集客、打ち合わせ、契約、設計、施工、アフターサービス、住宅ローン、保険、受発注業務など、取引先のワークシーンを支援すると説明しています。販売店向けオンライン発注システムも含め、顧客の業務効率化に関われる点は差別化になります。
第五に、木造建設の技術提案力です。非住宅木造は、今後の成長テーマでありながら、構造・法規・施工の難易度が高い分野です。ナイスは、木造テクニカルセンターや複数工法の提案により、木材活用ソリューションを提供できる体制を持っています。
第六に、住宅事業との接点です。自社でマンションや一戸建住宅、不動産流通、管理を行うことで、住宅市場の需要や顧客ニーズを直接把握できます。建材商社としての知見と、住宅事業での実需をつなげられる点は、他の建材商社にはない特徴です。
リスクと注意点
ナイスを見るうえで最大のリスクは、住宅・建設市場の変動です。新設住宅着工が減少すれば、木材、建材、住宅設備機器、プレカットの需要は弱くなりやすくなります。人口減少、住宅価格の上昇、建築費高騰、金利上昇は、建築資材事業と住宅事業の両方に影響します。
第二に、木材市況の変動です。木材は、国内外の需給、為替、輸入材価格、物流、災害、政策によって価格が変わります。木材価格が上がる局面では売上が増えやすい一方、仕入価格や在庫評価、販売先の購買意欲にも影響します。価格下落局面では、粗利率や在庫評価に注意が必要です。
第三に、在庫と物流コストです。ナイスは木材ストックや物流網を持つことが強みですが、同時に固定費と在庫リスクを抱えます。建材は重量物・長尺物が多く、配送効率が悪くなりやすい商材です。ドライバー不足、燃料費、人件費、倉庫費用の上昇は収益性を圧迫します。
第四に、住宅事業の在庫リスクです。マンションや一戸建住宅は、土地取得、建設費、販売価格、販売期間に左右されます。市況が良いと利益貢献が大きい一方、販売が遅れると資金負担や値引きリスクが生じます。建材商社としての安定性だけでなく、不動産事業のリスクも見る必要があります。
第五に、木造建設事業の案件リスクです。非住宅木造は成長性がありますが、構造設計、施工、コスト管理、法規対応が難しい領域です。案件ごとの採算管理が甘いと、売上は増えても利益が残らない可能性があります。
第六に、与信リスクです。建材商社の販売先には、販売店、工務店、ビルダー、施工会社が含まれます。建設市況が悪化すると、回収遅延や貸倒リスクが高まります。地域密着の取引は強みである一方、与信管理が重要です。
中期経営計画と成長テーマ
ナイスは、公式の中期経営計画で「中期経営計画 Road to 2030」を掲げています。計画最終年度である2030年3月期の目標として、売上高3,000億円、営業利益75億円、親会社株主に帰属する当期純利益45億円を示しています。
同計画では、同社の社会的存在意義を「樹とともに、人と暮らしをつなぎ、はぐくみ、彩りある未来をつくります」と定義しています。これは、木材の利活用を通じて、経済価値だけでなく、社会価値、環境価値を高めるという方向性です。
成長テーマとしては、第一に木材の循環利用です。木材の調達、製材、加工、流通、建築利用までをつなぐナイスにとって、国産材活用、森林認証材、合法木材、非住宅木造は重要です。木を使うだけでなく、再造林や森林保全と結びつけることが、今後の競争力になります。
第二に、非住宅木造・木質化です。住宅着工が伸びにくい中で、教育施設、商業施設、高齢者施設、公共施設、オフィスなどの木造化・木質化は新たな需要になります。ナイスは木造建設事業を通じて、構造提案、木材調達、プレカット、施工まで支援できます。
第三に、住宅の高性能化です。省エネ、耐震、断熱、創エネ、木質化は、住宅の価値向上に関わります。ナイスは住宅事業と建材流通を持つため、商品提案だけでなく、実際の住まいづくりにも関われます。
第四に、流通DXです。オンライン発注、在庫照会、納期確認、受発注効率化は、建材流通の大きな課題です。販売店や工務店の業務負担を減らす仕組みを持つことは、単なる価格競争から抜け出すための重要な要素です。
就活で見るポイント
就活でナイスを見る場合は、「住宅会社」か「建材商社」かを一つに決めつけないことが大切です。同社は、木材・建築資材流通を中核にしながら、住宅事業、木造建設、マンション管理、IT、CATVまで持つ複合企業です。志望動機では、どの事業に関心があり、なぜナイスなのかを明確にする必要があります。
建築資材事業に関心がある場合は、木材流通、プレカット、建材・住宅設備機器、物流、工務店支援を理解しておくとよいでしょう。建材商社の営業は、単に商品を売る仕事ではありません。販売店や工務店の現場工程、在庫、納期、価格、施工性、資金繰りを理解し、メーカーや物流と調整する仕事です。
住宅事業に関心がある場合は、マンション、一戸建住宅、不動産流通、管理を通じて、顧客の暮らしに近い仕事ができる点を整理するとよいでしょう。ただし、住宅販売は市況や顧客心理に左右されるため、営業力と提案力が求められます。
木造建設事業に関心がある場合は、非住宅木造や木質化をテーマにすると、同社らしさが出ます。木造テクニカルセンター、複数工法の提案、木材調達、プレカット、施工までの一気通貫体制は、ナイスの専門性を語るうえで重要です。
面接では、旧社名の「すてきナイスグループ」と現在の「ナイス株式会社」の関係も押さえておくと安心です。2007年にすてきナイスグループとなり、2020年にナイス株式会社へ社名変更しているため、現在のIRや採用情報はナイス株式会社として確認するのが正確です。
投資で見るポイント
投資対象としてナイスを見る場合は、建築資材事業の売上規模と利益率、住宅事業の利益貢献、その他事業の成長性を分けて確認する必要があります。2026年3月期は、連結売上高2,591億54百万円、営業利益53億22百万円でしたが、セグメント別では建築資材事業が増収減益、住宅事業が増収増益、その他事業が大幅増益となっています。
第一に見るべきは、建築資材事業の利益率です。売上高は大きいものの、木材や建材の流通は物流費、在庫、市況、競争環境の影響を受けます。建築資材事業が増収でも営業減益となる局面では、粗利率や販管費、木材市況、物流費の変化を確認する必要があります。
第二に、住宅事業の安定性です。2026年3月期は住宅事業が営業利益に大きく貢献しています。ただし、住宅事業は不動産市況、金利、建設費、販売在庫に左右されます。マンションや一戸建住宅の販売状況、管理収入の安定性、在庫水準を確認したいところです。
第三に、営業キャッシュフローです。2026年3月期決算短信では、営業活動によるキャッシュフローはマイナス32億2百万円でした。棚卸資産の増加なども記載されており、建材商社・住宅会社として在庫がキャッシュに与える影響を確認する必要があります。
第四に、株主還元です。公式の株式情報・株主還元・配当では、同社が中長期的な持続的成長を通じた累進配当を導入し、1株当たり配当金は維持または増配を基本とすると説明しています。2026年3月期の一株当たり配当金は72円、2027年3月期予想は79円です。配当の持続性を見るには、利益だけでなくキャッシュフローと財務余力も確認する必要があります。
第五に、中期経営計画の達成可能性です。2030年3月期に売上高3,000億円、営業利益75億円を目指すには、建築資材事業の収益性改善、住宅事業の安定、木造建設・その他事業の成長が必要です。木材活用、非住宅木造、流通DX、物流効率化が、どの程度利益に結びつくかを見ることが重要です。
まとめ
すてきナイスグループは、現在のナイス株式会社として、木材・建築資材流通、住宅事業、木造建設事業を展開する住宅・建材関連グループです。旧社名で検索されることもありますが、現在の正式な企業情報やIRはナイス株式会社として確認する必要があります。
専門商社の視点で見ると、ナイスの中心は建築資材事業です。森林、原木、製材、木材流通、プレカット、建材・住宅設備機器、物流、オンライン発注、工務店支援までをつなぐサプライチェーンを持っています。木材に深く入り込んでいる点は、建材商社の中でも大きな特徴です。
一方で、同社は住宅事業と木造建設事業も持っています。住宅事業は利益貢献が大きく、木造建設事業は非住宅木造・木質化という成長テーマに関わります。建材商社としての安定性と、住宅・木造建設の成長性を併せ持つ会社といえます。
注意点は、住宅市場、木材市況、在庫、物流費、住宅事業の販売在庫、営業キャッシュフローです。就活では、木材・建材流通、住宅、木造建設のどこに関心があるのかを明確にするとよいでしょう。投資では、売上高だけでなく、セグメント別利益、在庫、キャッシュフロー、株主還元、中期経営計画の進捗を確認することが重要です。
ナイスは、専門商社を「商品を流す会社」としてではなく、「木材と住まいのサプライチェーンを設計し、現場と暮らしを支える会社」として理解すると、その強みが見えやすくなります。

