総合商社マンの1日の過ごし方

総合商社マンの一日の過ごし方

この記事でわかること
  • 状況別(日常、出張など)の総合商社マンの一日の過ごし方
  • 総合商社で過ごす上で大切なスキルのイメージが湧く
  • 総合商社が激務かどうかを判断できる

総合商社の1日の過ごし方を把握することで、転職・就職活動での参考になるかと思います。

そこで、本記事では若手総合商社マンの1日のスケジュールを公開し、商社の激務度合いや働き方についてご紹介できればと思います。

基本的に筆者の原体験をベースに書いていきますが、海外駐在での働き方はヒアリングが中心となっております。

(※海外駐在とは3年以上海外で仕事をする働き方を指します。語学研修・トレーニーとは別です)

因みに、筆者のスペックは以下の通りです。

  • 年次:8年目以下
  • 職種:総合職(担当職)
  • 職掌:営業職(not コーポレート部門)

総合商社マンの1日:オフィスワーク

商社マン
商社マン

総合商社の基本的な働き方です。
外回りが多い部署はまた違った働き方になるでしょうね。

8:30-
始業・メールチェック・一日の予定確定

計画を立てても他の予定が入ったりして予定通りには行きません。

10:00
MTG1回目

案件に関係するチーム、社外の取引先への説明、コーポレート部門との打ち合わせなど様々。

12:00-13:00
お昼ご飯

出社していれば同期ランチ。1時間で外食は意外と忙しいです。また、仕事が押している場合は、ランチをスキップして仕事に充てます。

13:00-
MTG2回目、作業時間

プレゼン・エクセル資料を作るための作業時間も確保しています。適宜打ち合わせを行う場合もあります。

17:00-
成果報告・修正

作業状況、疑問点を上司や関連部署へへ報告・相談します。修正依頼などが来れば適宜対応します。

19:00-
終業

出社していれば退社、テレワークであれば切り上げて終了します。飲み会の開催頻度は部署に依存するため割愛します。

21:00-
サービス残業タイム

思い出した業務、時差によって届いたメールの処理など、勤怠につかない仕事を行います。

総合商社マンの1日:国内出張編

商社マン
商社マン

今回は日帰りを想定してご紹介します。

複数日verは次セクションで紹介する海外出張編をご参考ください。

6:00-
空港から大阪へ

日帰りであれば4:30に起きて出発の準備をします。朝が辛いです

9:00-
取引先への訪問

商談や関係維持のための交流、先方の施設を見学させて頂く場合もあります。

12:00-13:00
お昼ご飯

業務スケジュール次第でお昼ご飯の時間、内容は変わります。先方とご飯を一緒に食べる場合もあります。

13:00-
商談、見学、移動

午前中とは別の顧客へご挨拶をする場合も多いです。
移動時間が多くなりますが、タクシー内で仕事を進めたり、雑談したりと、業務状況次第で作業内容が変わります。

18:00-
現地にて解散

日帰り出張の場合は現地にて解散する場合が多々あります。
直帰する方は少なく、上司と飲みに行くか現地の友人と遊ぶ方が多いです。

総合商社マンの1日:海外出張

商社マン
商社マン

海外出張は複数日にまたがります。
短い期間で結果を残さないといけないため、ハードになる場合が多いです。

基本的に業務内容は国内出張と同じ(施設見学、打ち合わせ、移動)がメインですが、定期的に活動報告をする必要があります。

簡単なレポートを送るイメージですが、本社から距離がありかつ滞在期間が長い海外出張だからこそ増える業務だと思います。

DAY1
出張初日・時差ボケで倒れる

フライトの時間や時差もあり、初日からバリバリ働くことは少ないようです。時差に慣れるため、数日前から睡眠時間を調節する方もいます。

DAY2
出張2日目・ 現地状況を視察

海外出張をする1つの目的は、日本からはわからない現場を確認することです(オペレーション、顧客のキャラクターなど)

DAY3
出張3日目・事業会社・取引先の社長と打ち合わせ

出張には重大な目的が設定されることが多く、大抵の場合が役員レベルでの対面会議です。徐々にですがオンラインに切り替わりつつあります。

DAY4
出張4日目・ゴルフして帰国

出張に期日的な余白を持たせる場合も多く、観光やゴルフ等をしてから帰国する方も多いです。

DAY5
帰国後の報告

国内出張でも出張ご報告はありますが、より結果や報告が求められます。レポート及び簡単なプレゼンを作成し、提出する場合が多いです。

総合商社マンの1日:海外駐在

商社マン
商社マン

ヒアリングベースの話が多いですが、ぜひご参考になれば幸いです

海外駐在は年単位のオフィスワークを海外で行うイメージで、+αで本社とのやりとり(業績報告、社内申請等)が発生します。

1日の過ごし方はオフィスワークとほぼ同じなので、海外駐在編では数年間のスケジュールをご紹介します。

1-6ヶ月
語学研修・生活基盤を整える

最初の6ヶ月は駐在先の語学をマスターする必要があり、仕事をせず語学学校へ通います。また、住居の契約や就労許可の取得など、駐在先で働くための環境を整えます。

7-12ヶ月
現地の事業会社との関係構築

語学ができるようになってからは事業会社にて仕事を始めます。最初は業務等もわからない部分があるため、新人としてキャリアが始まります。

2年目
業務にも慣れ、事業の課題を解決するため奔走

事業会社に派遣されたということは、①事業会社の課題を解決する、②事業会社をより成長させる、のどちらかがミッションです。オペレーション効率の改善や業績向上の施策等を積極的に打ち出します。

3年目
日本が恋しくなり帰りたくなる

現地の仕事も一通り理解し、日本が恋しくなり始めます。仕事にも飽きが来るタイミングでしょう。

総合商社で過ごす上で必要なスキル

総合商社で働く中で、重要だと感じたスキルをまとめていきます。

オフィスワーク時:時短術

総合商社に限らずですが、仕事を早く取り進める上で一番重要なスキルです。

  • 数時間後に完了させる必要があるタスクが突然振られる
  • 大量のエクセル・パワポを連日作成
  • 大量のメール(時差もあり夜間に届く場合あり)

大量のタスクが雨のように降ってくるなかで、効率的にこなすためには以下の時間術が必須です。

  • エクセル・パワポ・メールでのショートカットキー
  • やるべきこと(承認等の第三者の力が必要)から優先的に処理
  • 隙間、通勤時間を活用したメール・細かな申請・アンケート等の取り進め

総合商社に限った話ではないかもしれませんが、仕事をこなす上で非常に大切となります。

出張時:準備・対応力

商談の際は顧客からの質問に対してその場で答え、施設見学であればクリティカルな質問をする必要があります。

加えて、飲み会への発展や「〇〇ってダンスできるんだっけ」などの無茶振りも頻発します。

そのため、必要となるスキル・準備するべき内容は次のとおりです。

  • 十分な準備力(資料の作成、先方のリサーチ)
  • 対応力(先方からの無茶振りなど)
  • 先回り力(上司と移動するタクシーのピック、居酒屋のリサーチなど)

法人営業で働く方であれば「なんだ、そんなことか」となる話かもしれませんが、総合商社マンにとっての負担は大きいです。

なぜなら、グループ会社と協業して事業を展開するビジネスモデルが多いため(トレーディングはその気が薄いですが)、社外の方とお話しする機会は少ないためです。

また一緒に過ごす上司は、ビジネス時は心強い仲間へ変わりますが、ビジネス外では上司に戻るため、タクシー等の準備は徹底する必要があります。

海外出張・駐在時:語学力

海外へ行く時点で当たり前ですが、語学力、特に英語のスキルは必須です。

事業会社との打ち合わせ、現地の従業員との交流、すべて英語にて実施することもザラにあります。

また、若手であれば積極的な交流や議事録(英語で聞き取り日本語で展開)も仕事になるため、語学力が無いとご迷惑をおかけする場合が多々あります。

事業会社の歴史が長い(=総合商社との付き合いが長い)場合、日本人にとってわかりやすい英語で話して下さることも多いですが、ベースの英語力を伸ばさないと話にならない時は多々ありました。

筆者の場合はネイティブキャンプという通い放題のオンライン英会話(業界で最安値だったので)を活用していました。

ネイティブキャンプで使う教材には、丸暗記すればそのまま利用できるテンプレ文言集が凝縮されており、勉強を3ヶ月目にはコミュニケーションで困らないレベルまで行けました。

いずれにせよ、ベースの語学力あって初めて仕事になるケースも多く、商社での語学力の重要性は高い位置にあります。

まとめ:総合商社はそこそこハード

総合商社の1日をご紹介する中で、思ったよりもハードでは無いという意見が多数かと思います。(実際そういうコメントをよくいただくため)

残業あたり前、サービス残業も許容みたいな感じではあるため、決してホワイトでは無いですね。

しかし、日経のホワイト企業の働き方(9:00始業-17:30終業)ほどではありませんが、外資銀行・戦略コンサル(朝9:00始業-深夜3:00終業)と比べれば甘いなと感じています。

また、要求されるスキルセットも業務内容で大きく変わるため(時短術、準備力、語学力など)、スペシャリストよりゼネラリストが重宝される会社だと実感しています。